(無題)

気がつくといつも僕は十代の頃に戻っていて
弾けないギターを担いで河原までダッシュして
風に負けそうになって
それでも抵抗をやめない草っ原の上で
弦を引っかいて大声で歌っていた
 
リライトする僕の青春
なにかをかき集めるように
二度とやり直しのきかないあの頃を取り返すため
 
歌っているうちに自分がしていることが
意味のない行為であると気がついて
上書きできない過去にやられそうになる頃 目が覚める
 
まただよ。また
 
僕がしたかったこと全部
やっていたらたぶん
きっと
ダメになってた
なにが? 誰が?
聞き分けのいい自分が?
すべて否定してきたあの頃が?
だったらいまこうしてくすぶっている自分ならいい?
いまのままでいい?
本当に? 本当に? 本当にそうなの?
 
現実だけ見て生きてきて後悔ばかりして
夢の中でだけ自分のなりたかった自分でいて
本当にそれでよかったんだろうか?
 
続く自問自答
出るわけのない答え
待ってろ
今日 会議が終わったら
決着つけてやる


初出 はてなハイク 2009-03-21 19:17:56/改稿 2009-04-15 0:35:00