カテゴリー: 2014

リピート

広がらない世界
澱む空気
言葉のない日常
希望とか
夢は
卒業するときに捨てた
起きて
働いて
食べて
働いて
眠る
なにも考えずに
くりかえす
くりかえす

一人になった時に一人でいる意味を考えた

誰のことも好きにならなくていいんだなあ
って気がついたらなんだか急に楽になって
おもいついたように部屋の掃除はじめたり
読みかけの本をまとめて読んでみたりして
できなかったことを全部やろうとしている
きっとすぐに飽きるのはわかっているから
それまでは好きにしててもいいことにする
したかったことってなんだったんだろうか
丸めたチラシマイクがわりに歌ったりとか
ビデオ見ながら一緒におどってみたりとか
ご飯作って一人で食べて裸のままねむって
長い時間かけて風呂に入ってそんなことを
そんなことをしたかったのだろうか自分は
電話とかメールはまだしばらくしたくない
外に出るのも当分いい誰にも会いたくない
いつかそんなことをしたくなったときまで
くりかえす自問自答とつきあうことにする

ノスタルジー

放課後 誰もいない教室の開け放した窓から風が
味気ないベージュのカーテンを揺らして
僕はここにいるよ と 言っているようで
帰ろうと思うんだけど まだここにいてほしいような
そんな素振りを見せている
 
整理しきれていない机とか
あれだけ先生に言われているのに棚に乱暴につっこまれた教科書とか
いつまで僕はこの光景を見ていることができるのか
このまま大人にならずにいられたら
もしかしたら そんなことができればいいのだけれど
 
花壇の水やり当番とか
科学部のメダカの水槽とか
誰も知らない 僕が大切にしているもの
一つずつ集めてとっておけたらいいな
いつか歳をとって 制服の似合わない身体になっても
僕だけの教室 僕だけの世界があれば
いつまででも一人ででも生きていけるのに
 
遠くから聞こえる 金管楽器の音
ぐるぐると回る視界 許されはしないだろう
僕がここにい続けること 僕が子どものままでいること
僕の好きなものをすべて捨てて
嘘でも笑って話して汗かいて叱られて
なにかの一部になって 誰かのかわりになって
生きていく 年老いて いらなくなって いつか
すべてのものから捨てられる日まで
 
風にあおられたカーテンが顔に当たる
僕を覆い隠す
陸上部の掛け声 サッカー部のシュート
野球部のノック 軽音部のドラム
僕の耳に入るすべての音
僕の視界に入るすべての
 
すべての 僕がいなくても なりたつ この世界に
 
(泣いたりはできないよ
(許されたわけではないから
(必要とされてはいない
(むしろこのまま
 
カーテンの影 消えてなくなる僕の
誰も知らない形跡 最初からいなかったのか
本当はいたことに気づかないだけなのか
窓を閉めて おとなしくなる頃には
誰もいなくなって 姿もなくなって
おしまい さようなら またいつか
 
またあした 僕がいなくても なりたつ この世界に
さようなら いらないものを 

カワイソウ

あんた、嫌われてるって自覚あるなら
もう少し空気読めよ
誰もあんたの顔なんか見たくないんだよ
って言われて
聞いてた場所外してここに来たのに
なにそっちが変更してんだよ
って思って
でも そんなこと言えるわけもないから
下向いて我慢してた ずっと
えらそうにしてるけど
一人じゃなんにもできないのに
人がいる時だけはりきって
バカみたい だ
バリゾーゴンはまだ続く
この人かわいそうだって思って そしたら
なんかストレス発散に僕を使ってんのかな
って
突然すべてのことが許せるみたいに
許してるわけじゃないけど
あきらめがついたみたいに
いま聞こえている言葉が
どこか遠い星の言葉のようになって
意味もわからないくらいになにも感じなくなる
別に生きてる必要もないけど
目の前で死ぬほどバカでもない
本当にいやになったらその時はその時で
止めもしないことくらいわかるから
きっとラクショーでジ・エンド