カテゴリー: Days go on.

リピート

広がらない世界
澱む空気
言葉のない日常
希望とか
夢は
卒業するときに捨てた
起きて
働いて
食べて
働いて
眠る
なにも考えずに
くりかえす
くりかえす

「布団とレンズ」

冬の縁側に日があたって
広げた布団がふくらんで
ふわり
ネコが心地よさそうにまるまって
私も少し場所をかりて
ふわり
横になって 体に日をうける
空の色をたしかめるように
ぐるり
遠くに見えるのはレンズ雲
山もないのに不思議
目をほそめ 凝視しながら
地学のすきだったあなたのこと
すこしだけ考えてみる

りごうしゅうさん

うん じゃあ まぁ ここにいるね って
別になにするでもなく
声だけかけて たぶんあとはそのまま ほったらかしで
すみっこに座って
誰かが集まって 騒いではしゃいで
また帰って行って 誰もいなくなるその様を
ひとり
ぼんやりと見ているだけ
なんだと思う
深く関わったって ろくなことなんかなかったでしょ
追いかけられて 逃げるのが楽しかったでしょ
そんなの 誰とだってよかったんでしょ
あからさまに眉ひそめて 嫌悪感あらわにして
自分のことなにかすごい人みたいに見せなくたって
君はえらいひと 君は頭のいい なにかすごいひと
比較対象そばにおいて 底上げしなくたって
君は正しいなにか たぶん信頼されてるとかそんな感じの
なにしてんの そんなところで つまんなくないのって
別になにするでもなく
声だけかけて あとはそのまま ほったらかしで
なかったことにして
誰かが誰かを呼んできて 集まって離れて
なくしたなにかを 取り戻そうとするその様を
ずっと
最後まで見ているだけ
なんだと思う

(無題)

気がつくといつも僕は十代の頃に戻っていて
弾けないギターを担いで河原までダッシュして
風に負けそうになって
それでも抵抗をやめない草っ原の上で
弦を引っかいて大声で歌っていた
 
リライトする僕の青春
なにかをかき集めるように
二度とやり直しのきかないあの頃を取り返すため
 
歌っているうちに自分がしていることが
意味のない行為であると気がついて
上書きできない過去にやられそうになる頃 目が覚める
 
まただよ。また
 
僕がしたかったこと全部
やっていたらたぶん
きっと
ダメになってた
なにが? 誰が?
聞き分けのいい自分が?
すべて否定してきたあの頃が?
だったらいまこうしてくすぶっている自分ならいい?
いまのままでいい?
本当に? 本当に? 本当にそうなの?
 
現実だけ見て生きてきて後悔ばかりして
夢の中でだけ自分のなりたかった自分でいて
本当にそれでよかったんだろうか?
 
続く自問自答
出るわけのない答え
待ってろ
今日 会議が終わったら
決着つけてやる


初出 はてなハイク 2009-03-21 19:17:56/改稿 2009-04-15 0:35:00

(無題)

変化についていけないのは昔からのことで
自覚するようになってから
嫌いだった自分がもっと嫌いになった
  
君が僕の知らない間に違う人のようになっていて
僕はそれは嫌で仕方がなくて
でもそれを受け入れなければこの先が無いことも
わかっている
 
わかっているんだけど
 
頭で理解したことを身体に浸透させようとすると
拒絶反応を起こす
胸とか 胃の辺りとか
 
そのくせ「いつまでも変わらないね」といわれると
無性に腹が立つのだ
なんて自分勝手な


初出 はてなハイク 2009-02-25 00:02:4/改稿 2009/03/04 00:20

(無題)

じゃぁ、またねって 
何度もくりかえして
いつか その「またね」が
嘘になる日が来るのだろうと思っていた
(わりと日常的に)

そして当然のようにそのときが来て
そのたびに ああ、まただ って思って
いつまでたっても慣れないなぁと
自嘲う(わらう)しかなくて

誰かを悪者にしないように
自分の悪いところを数えなおす
そんなことの繰り返しばかり

初出 はてなハイク  2009-02-22 19:16:50/改 2009-03-03 00:30