1996年11月アーカイブ

1996年11月26日

空想癖

わらっちゃう                                                そ
僕がここにいなくても                    ん
世の中は静々と動いている                  な
                              風
線路に飛び込む人                      に
ビルの屋上から飛び降りる人                 笑
少女をイスにくくりつけては                 わ
       手足をひとつずつ         な
           落とし      い
て     で


そして僕は の
ここで 一人 が
途方に暮れる 好



                             さ 
いまここで 発狂しても僕は                え
僕の代わりになる誰かにすべてを託すことなく        も
すべてを託す暇もなく                   平

                          を
「こういうとき、どんな顔をしていいか わからないの」 装

目の前にいる君に聞いてみようか
僕は君を君が僕を信用しているのと同じくらいに信用しているわけじゃないように
君は僕を僕が君を好きだと思っているのと同じくらい好きだと思っているわけじゃない

たぶん、君の答えは決まっている
そしてそれは 僕の考えている以上の

感情はいつまでたっても稀薄で
愛情はそこはかとなく

適度に混んだ電車の中で
君は僕に愛を注ぎ込む
僕は君に生きてゆく支えを求める

そしてそれはすべてが虚構の世界へとなだれ込み
僕が洗いたての木綿のシーツの上で学校に行きたくないと思っては
どうしたら一番正当な理由で合法的に学校をさぼれるか考えた末の
くだらない(いや、本当にどうしようもなくくだらない)空想上の出来事

...だったらいいなぁ、と き
                                  み
電車のシートに座り                         は
つり革につかまっている君を盗み見るように              だ
そっと                               れ
                                  ?
   そーっと
                                  僕
       見つめているときに                  の
                                  知って
                見ていた夢だったんだ          い
そうなんだ                               る
     たぶん                            誰
        たぶんね                        か
                                    で
だんだん                                す
だんだん                                か
意識レベルが低下してきて                        ?
レム睡眠からノンレム睡眠へ
覚醒から幻覚へと向かう途中で僕はまた

きみを                               ダレヲ?


                 僕の一番大好きな君を
ソレハ ダレナノ?
少しずつ
   すこし  ずつ

1996年11月 2日

月齢15

月が出てるから僕たちの体は青く見えるんだと君はいう/ああそう
いえば暗いときは目の色彩を感じる細胞が働かないんだと学校で習
ったことをぼんやりと思いだしてみる/君の体はそういうわけでき
れいに蒼く光ってる/蒼白いっていうよりは青黒いって感じだなと
君は鼻で笑う/いつだってそうだ今日だってそうなんだ/さっきか
ら君は僕の髪の毛を何度も何度もなでてくれてるけどこれってどう
いうことなんだろなんて考えてみたりする/今日はまだキスはして
もらってない/世間で言うところの均整のとれたたくましい体つき
の君が男にしては何だかきゃしゃすぎる僕にはひどくうらやましい
ことのように思える/僕は君の顔の輪郭をそっと中指の先でなぞっ
てみる/こういう瞬間って何だか好きだなっていうと君はお前って
そういうのが好きなんだなって僕のことをまっすぐ見つめる/やめ
てよそういうのなんか僕が変なヒトみたいじゃないっていうと君は
決まってこう答えるんだ/だってホントのことだろ?/昨日までは
あんなに堅物だった君が眼鏡を外せば実は別人のようだったなんて
よくある話だ/だからといってここまで君にココロの中をとっ散ら
かされる理由なんかあっただろうか/いやないってこれって反語っ
ていうんだよななんて君の鎖骨のあたりを見つめながら考えてた/
考えてた/考えてた/君は僕の髪をなでるのにも飽きたのか僕の体
に指で文字を書き付ける/なんて書いたと思う?/愛してるじゃな
いよね/いった瞬間僕は君は爆笑した/君はベッドに埋まるように
して肩を震わせる/僕は君のからだの重さに辟易しながら間の抜け
たことをいったなと思い直す/そして僕が君の肩あたりにかみつい
てみようかなと思ったとき君は僕の耳元でいった/じゃそろそろ始
めましょうか/僕はそのままの体勢でリクエストする/痛いくらい
に乱暴なキスがいい/そしてそのまま夜明けまで続けてほしいって