2002年11月アーカイブ

2002年11月 1日

空も同じ

雨の音で目を覚まして早朝
すき間から風の漏れてくる窓に目をやり
雲に薄められた光の
それでも充分すぎる明るさに負けそうになる

古臭い装置を使った効果音
時折風に流れる銀の糸 淡く鈍く光る

毛布で顔を覆い
二三度身体を捩って纏わりつかせる
暑苦しくてもいいもう少し体温が欲しい

無意味な選択を繰り返して
辿り着いてみれば必ず同じ場所で
なにも変わらないのだと
なにも変われないのだと無表情に目を落とすばかり

冷蔵庫のモーター音がやけに気になり
外気に耳をさらせば着替えを済ませた空の色

泣いていたのは空も同じ
せめて日向に出ようとしなければ
泣いていたのは