2013年2月アーカイブ

2013年2月16日

通勤電車

僕の身体に割りこむようにして君の身体が侵入してくる。
厄介さと充実感。
熱さと苛立ち。

ぴったりとはりついた僕たちは少しずつ体温を上げ、
知らず、前歯に力を入れる。
我慢とか。やり過ごす力とか。
隙間があいて、ずらす眼前に
君の、顔。

視線が合う前にもう一度ずらす。
曇るガラス。
呼吸とともに大きく、小さく。
すべての動きが止まり
僕たちを覆うものが吐き出されようやく離れる。

もうやだ、
と、
また会えるかな、
の、
中間。

態勢を直したら汗ばむ空気をまとったまま、もう少し。