2016年3月アーカイブ

2016年3月 4日

ただそれだけの

駅までの道はいつも二人で黙って歩くだけだ。 距離だって少しあいてる。次の日の約束は一度もしたことはない。毎朝、駅で見かけると慣れない笑顔を作って、互いが互いを気にしながら、だけどなにごともなく一日を過ごす。

本当は好きなのに、言ってしまうとダメになりそうで、偶然ふれた手の甲を、まるで宝物を大切にするようにそっとなでるのだ。いつ終わってもいいように。

2016年3月 3日

本当は知ってる

僕と遊ぶのが目当てじゃなくて
出されるおやつが目的だということ
ゲームの機械とか
漫画とか
別にそれでいいんだよ
僕の家に来てくれればそれで
僕のほうなんか一度も見なくても
一言も会話しなくても
母さんが安心して
みんながうちのゲームを気に入ってくれて
僕は友達と遊んだ気になれればそれで